(Projects)

地域とともに歩む 安心を育むまちの縁側

豊野防災交流センター

文化施設

本施設は令和元年東日本台風の豪雨による浸水被害を受けた長野市豊野地区の再生と防災力の強化を目的に整備された防災交流センターである。前面道路+2.0mを浸水想定ラインとし、RC腰壁と脱着式止水板を併用することで盛土を最小限に抑えつつ、災害時にも機能する防災拠点としての安全性を確保した。閑静な住宅街に調和するよう配慮された配置計画により、地域に開かれた親しみやすい施設を目指した。歩道空間や植栽帯を整備することで、安全で緑豊かな街並みの再生にも寄与している。施設の中央を貫くフロントロビーは人々の活動が感じられる「まち」の一部となり、交流ラウンジや図書コーナー、フロントヤードや軒下空間などが穏やかな日常や活気あふれる様子をまちへ映し出す。また、避難施設として多目的ホールや防災備蓄倉庫、マンホールトイレなどを備え、フロントロビーを軸とした合理的で明快な平面計画が、「いつもの交流」と「もしもの防災」を兼ね備えたフェーズフリーな空間を生み出している。
本施設が地域の人々の生活に寄り添い、平時・災害時問わず、安心をもたらし、永く親しまれるランドマークとなるよう期待する。

2024年竣工
建築主
長野市
延床面積
1,011㎡
構造
W造
規模
地上1階建
備考
プロポーザル最優秀賞